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| アメリカ的な要素を加えた四川風青椒牛肉絲 |
日本では具材として筍を使いますが、本場中国ではモヤシを使います。
日本ではいつからモヤシの代わりに筍を使い出したのかは分からないのですが、多分筍を使うことによってモヤシ以上の特別感と満足感を出すためなのでしょうね。
本場の青椒肉絲は、四川料理なのでとても辛いです。
まず、ソースに豆板醤をタップリと使っています。
次に、青唐辛子を使っているので野菜自体も辛いんですよね。
ソースから食材まで全てが激辛なんですよね!
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| 青唐辛子 |
本場中国では『青椒=青唐辛子』を意味しますが、日本では『青椒=ピーマン』となっています。
日本で『青椒』という語が日本に伝わった際、唐辛子ではなくピーマン(ピーマンは18世紀に甘唐辛子を品種改良しアメリカで誕生したもので中国には元々ありませんでした)に置き換えられました。
ピーマンは青唐辛子よりも味や香りがマイルドで日本人の味覚に合いやすかったことと、当時の八百屋等で簡単に手に入れることができたために、料理名はそのままに、食材だけがローカライズされたそうです。
中国で食べられる青椒肉絲の現在においては広東風のように辛味よりも旨味を重視する傾向もあり、オイスターソースを加えられて作るということも多いですよね。
また、日本のチンジャオロースには豚肉よりも牛肉を使う場合がありますよね。
なぜ日本のチンジャオロースは豚肉だけでは無く、牛肉も一般的に使うようになったのかというと、それはアメリカの影響だそうです。
アメリカ人は豚肉よりも牛肉を好む傾向にあり、アメリカのチャイナタウンでは、Green pepper steak(チンジャオロース)に牛肉を使って作ったのだそうです。
それがアメリカ経由で日本にも伝わり全国に広まっていったのだそうです。
そういえば、中国の料理名に『肉』という表記だけだと豚肉を使っているという意味になります。
肉=豚肉 それだけ中国では豚肉が一般的に浸透しているということなのでしょうね。
『青椒肉絲』、この場合も『肉』という文字だけなので、豚肉を使っていますよということになりますね。
料理に牛肉を使っている場合は、青椒『牛肉』絲というように、その肉の種類の文字が追加されます。
ちなみに大阪で単に「肉を買ってきて!」と言われると、それは牛肉を意味するそうですね。
それだけ関西、特に大阪では肉=牛肉という食文化が浸透しているということとなりますよね。
豚まんがその代表例で、関東地方でよく言われている『肉まん』だと、大阪では具材に牛肉を使っていると誤解されてしまう場合があるそうなので、あえて『豚まん』と呼ぶようになったそうですね。
材料(2人分)
- 牛もも肉のブロック・・・150グラム
- 緑色と赤色のピーマン・・・1.5個
- もやし・・・25グラム
- 油(肉の下味用)・・・大さじ0.5杯
- 塩(肉の下味用)・・・少量
- 紹興酒(肉の下味用)・・・大さじ1杯
- 胡椒(肉の下味用)・・・少量
- 水(肉の下味用)・・・大さじ0.5杯
- 溶き卵(肉の下味用)・・・1/4個
- 片栗粉(肉の下味用)・・・大さじ0.5杯
- 中国醤油・・・大さじ1杯
- 紹興酒・・・大さじ0.5杯
- 水溶き片栗粉・・・少量
- 砂糖・・・小さじ0.5杯
- 水・・・大さじ0.5杯
- 胡椒・・・少量
代用食品
上記の材料が揃わない場合の代用の食材の一例です。
家にある食材を使って作ってみてください!
なにか新しい発見があるかもしれません!
- 緑色と赤色のピーマンの代用:シシトウガラシ、万願寺唐辛子、パプリカ
- 紹興酒の代用:日本酒
- 中国醤油の代用:日本の醤油(濃い口、薄口)
- 牛もも肉のブロックの代用:鶏肉、豚肉等
作り方
- 牛もも肉は細切りにして、塩、紹興酒、胡椒、水、溶き卵、を加えて肉が馴染むまで揉みます。
- 馴染んできたら片栗粉を加えて、よく混ぜ合わせて最後に油を加えて更に揉みます。(こうすると、肉が柔らかくトロッとした口当たりになります。)
- ひげ根を取ったモヤシ(ひげ根を取ることによって食べた時のモヤシのモサモサ感が無くなります)と縦半分に切り繊維に直角に細切りしたピーマンは、湯通し(20秒程)または油通し(10秒程度)をしてザルに上げ、水気または油気を切ります。
- 中華鍋に油をひいて熱し、牛肉を手で解しながら入れ、箸で手早く炒めます。
- 牛肉の色が変わり、バラバラに解れてきたら、野菜を加えて軽く混ぜ合わせます。
- ソース(中国醤油、紹興酒、水溶き片栗粉、砂糖、水、胡椒を混ぜ合わせたもの。)を加えて数回程度強火で炒め返し(10秒程度)て、全体にソースが絡まれば出来上がりです。
※この料理のポイントは炒め過ぎないように(特に野菜)スピーディーに調理します。
食材の旬
- ピーマン:6月~9月(露地物)、年中(ハウス物)
- 緑豆モヤシ:年中(緑豆モヤシは全国で作られていて、日本で一番多く流通しています。管理された水耕栽培によって天候の影響をほとんど受けないため一年中安定して供給されます。原料となる緑豆は中国やミャンマーから輸入しています。)


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