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| 檸檬鶏(レモンソースの唐揚げ) |
広州料理(広東省の中心都市である広州で発展した料理スタイル)の名物です。
カリッと香ばしく揚げた鶏もも肉を、レモンの爽やかな風味でサッパリとした味わいに仕上げています。
今回は鶏もも肉を使っていますが、白身魚を使うとよりサッパリとしてこれも美味しいです。
この料理に合わせるお酒は、やはり白ワインが良いですね!
この料理は、中国本土ではあまり一般的な料理ではなく、華僑(中国本土にルーツを持ち海外に移住して暮らす中国人およびその子孫)によって考案された海外の現地に根ざした中華的創作料理であるとも言えます。
特に北米やオセアニアでは『レモンチキン(Lemon Chicken)』として定番メニューになっていて、多くの中華レストラン(特にチャイナタウンやモール内の店舗)で提供されています。
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| レモンチキン |
中国の檸檬鶏とアメリカのレモンチキンの違いは、
中国版
- レモンの酸味を活かしたさっぱりした味付けで甘さ控えめ
- 衣は薄めで軽く揚げられている
- ソースは透明感がある
アメリカ版
- 濃厚で甘めのレモンソースが使われることが多い
- 衣は厚めでクリスピーにカリッと揚げられている
- ソースは濃いめの琥珀色
と、このような感じです。
ちなみに雲南省も檸檬鶏が有名です。
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| 雲南省の町並み |
西双版納(シーサンパンナ)傣(タイ)族自治州に住む傣族(雲南省に住むタイ族系ルー族)の名物料理になります。
こちらの料理は広州のものとは違い、茹でた鶏と柑橘の絞り汁と生唐辛子、香草等を和えたものとなります。
見た目や味わい的には、エスニック風味のチキンサラダのような感じですね。
レモン
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| レモン |
レモンはミカン科ミカン属の柑橘で、原種はシトロン。
インドのヒマラヤ山麓が原産とされています。
9世紀にイスラム帝国が征服したシチリアにレモンが持ち込まれ、11世紀にノルマン人がシチリアを征服したことで、レモンはヨーロッパに持ち込まれることとなり、15世紀になるとイタリアやスペインで盛んに生産されるようになりました。
日本にレモンが伝わったのは明治時代からだそうで、数多くの舶来品の中(オレンジ、ストロベリー、ホップ等)にレモンも混じっていました。
日本のレモン栽培は明治6年に静岡県で開始されますが、ある外国人が静岡県の熱海に湯治に訪れた際、食事に供されてあったレモンの種を庭にまいたという逸話も残っているそうです。
現在の全国レモン生産量ランキング(2010年)は、広島県が全国の約5割を生産し1位になっており、2位が愛媛県で3位が和歌山県となっています。
材料(2人分)
- 鶏もも肉・・・1枚
- 卵・・・0.5個
- 塩・・・少量
- 片栗粉(鶏もも肉にまぶす用)・・・少量
- レモン汁・・・小さじ1杯
- 水・・・大さじ1杯
- 砂糖・・・20グラム
- 酢・・・大さじ1杯
- 片栗粉(トロミ用)・・・大さじ0.5杯
- 油・・・適量
- 半月切りにしたレモン・・・適量
代用食品
上記の材料が揃わない場合の代用の食材の一例です。
家にある食材を使って作ってみてください!
なにか新しい発見があるかもしれません!
- 鶏もも肉の代用:真鯛、スズキ、鱈
- レモンの代用:カボス、柚子、スダチ、ライム
作り方
- 鶏もも肉を観音開き(厚い素材に中央から左右に包丁を入れて両側に開いて薄くする切り方)にして、包丁の背で軽く叩いて厚みを均一にします。
- レモン汁、水、砂糖、酢、塩を合わせて鍋に入れて煮立て、片栗粉を加えてトロミを付け、ソースを作ります。
- 鶏もも肉に塩をふって下味を付け、溶き卵を付けて片栗粉をまんべんなくまぶします。
- 中華鍋にタップリの油を入れて熱し、鶏もも肉を入れて表面がカラリとなってくるまで揚げます。
- 取り出して油をきった鶏もも肉を一口大に切り、器に盛り付けます。
- ソースをかけて、半月切りにしたレモンを添えて出来上がりです。
食材の旬
- レモン(国産):10~12月(緑色)、12~3月(黄色)




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